勝利 | 野球好きのボヤキ

侍ジャパン、金メダル獲得おめでとうございます！！

やはりこれだけの戦力を揃えれば、金メダルも順当と言えば順当ですが、私が注目したいのは、稲葉監督の戦術。

いくらホームランバッタを連ねても、野球というスポーツは３回に１回しかヒットやホームランは打てないのです。それも、時々運よく４打数４安打なんてこともありますが、ある時は４打数０安打なんです。その「運よく」「たまたま」というピークをオリンピックの試合で出すことは非常に困難です。それもある人は調子が良く、ある人は調子が悪く・・・と、それが平均して３割ぐらいなんです。だから３連続ヒットということは極めて珍しく、相手が好投手であれば、なおさら難しいのです。

もっと極端な例でいえば、「運よく」３連続ヒットでノーアウト満塁のあと、３連続アウトで無失点でチャンスをつぶした・・・となっても、確率論的にいえば、当然そうなるでしょ。どんな強打者を揃えても３割ぐらいしか打てない訳なので、３回ヒットが続けばその後６回アウトが続いても、何もビックリすることはないのです。

まぁ、高校野球の地方大会とかだと、チーム打率４割なんてこともありますが、ここはオリンピック。世界の強豪でかつ、国を代表するエースが投げてくるので、２割５分（４回に１回）打てれば御の字です。

となると、いくら最強の侍ジャパンでも、そう簡単に打てないのは当然です。

そこで、進塁打（バント）の重要性なんです。

なにも無くアウトになるか、少ないチャンスを生かすためにバントで進塁させるか、上を読んだ人なら一目瞭然ですね。そこで、稲葉監督は強化合宿で、全員にバントの練習をさせたのです。公式戦で一度もバントしたことが無い、吉田や村上も熱心にバント指導をうけていたのです。ここ一番のバントの重要性を国際試合の経験が豊富の稲葉監督は一番よく知っています。過去の五輪、WBCも振り返れば、高橋由、城島、中村紀、小笠原などが要所でバントを決めているのです。

この大会を見ても坂本や山田など各チームの主砲が、きっちりとバントを決めて勝利につなげています。強化合宿でバントの練習をさせて、「誰にでもバントのサインを出す」と公言していただけあるなぁと思いました。やはり普段しっかり練習しているので、いつバントのサインが出てもビビらないのです。

そんな中もでもしびれたのは、準々決勝で米国とのタイブレーク。公式戦一度もバントをしたことが無い村上から栗原にスパッと変え、その栗原が１球で見事送りバントを決めたシーン。この場面、誰もがバントを予測して、相手もプレッシャーをかけてきます。その中緊張感MAXの状況で、１球で仕留めた栗原はスゴイ。それも今大会初出場・初打席。

やはり、やるべきことをしっかりできるチームが強いのです。

いかに栗原がこの日の為にバントの練習をしてきたかと思うと、本当に胸が熱くなりました。その後の甲斐のサヨナラヒットもすごいですが、やはり私は栗原をたたえたいですね。

決勝の米国戦もやはり日本を研究されていますので、簡単には打てません。結局最後は１点を争う接戦なんですよね。

ここで、値千金のホームランを村上が打ってくれました。前の米国戦で自分を下げて、交代した栗原がバントを決めて立役者となったので、やはり自分もチームに貢献したいという思いは強かったと思います。そんな村上が０対０の重たい空気を吹き飛ばしてくれました。どのバッターもホームランを打てる打者を揃えている最強の布陣の威力ですね。

３回に１回しか打てないので、それがヒットなのかホームランなのかで、得点に直結しますからねぇ。ただ、それでも１試合で１本でるか出ないかの確率なので、ここは村上をほめたいですね。

そして８回にも山田がヒットで坂本がきっちりと送りバント。吉田のヒットでホームイン。待望の追加点。やはりキッチリ決めることが出来るチームが勝ちますね。

最後は今大会侍ジャパンの名実ともにストッパーになった栗林が抑え悲願の金メダル！！！

実は準々決勝の米国戦でタイブレークの栗原のバントもしびれましたが、この前の回のタイブレークで栗原がきっちりゼロで抑えたところもしびれたのです。タイブレークはノーアウト１、２塁からスタートなので、確率的に言えばその後の３人で一本ヒットがでれば１点入るのです。だから１点は仕方が無いとも言われています。もちろん１点やらないように外野は前進してバックホーム体制です。。ただ、１点は仕方が無いと言われる中、緊張感ＭＡＸでマウンドに上がり、今年の新人の栗林がピシャリとゼロで抑えたのです。「この人はどんな心臓しているのか！？」と驚くほど冷静なマウンドさばき。

これを見て稲葉監督も安心して、その後の準決勝、決勝のリリーフを任せれました。栗林は日本を代表するリーリーフエースになりますよ。マジで。

これが最後のオリンピック競技となってしまう野球もソフトボールも日本が金メダルで良かったですね。銀だったら次が無いからリベンジできないですから。。。

良かった。良かった。